やさしい東洋医学入門!第3章「気の医学」

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東洋医学の知恵を活かして、カラダもココロも整えていきましょう!
「気」が重要なキーワード
前回(東洋医学の世界観↗)は、東洋医学が根底に置く“世界観(健康観)”をご紹介しました。そこでは、「宇宙と人は一体であり、変化し流れ続けることこそ健康である」という考え方を通じて、東洋医学の基盤に触れました。
さて、今回はその世界観の中でも、東洋医学を語るうえで最も中核となる概念―― 「気(き)」 について深く見ていきたいと思います。
「気」ってなんだろう?空気?エネルギー?それとも“心のはたらき”のようなもの?
この見えない力が、体と心をどうつなぎ、病や健康とどう結びついていくのかを、ご一緒にたどっていきましょう。
☯️ 「気」という見えないエネルギー
西洋医学と東洋医学を分ける最大の違い――それは「気」という考え方です。
けれど、この「気」という言葉を言葉だけで説明するのは、なかなか難しいものです。
それでも私たちは、日々の暮らしの中で自然に「気」という表現を使っています。
- 元気
- 気力
- 勇気
- 雰囲気
- 気分
- 気配り
- やる気
- 根気
- 気が向く
こうした言葉のように、「気」は人の心の状態や健康状態を表すときに、自然と使われています。日本では「気=精神力」ととらえられることが多いですが、東洋医学でいう「気」は、それよりもずっと広い意味を持っています。
東洋医学における「気」は、中心的な概念であり、私たちが生きていくうえで欠かせない根源的なエネルギーとされています。
そのため、呼吸や血のめぐり、体温の調整といった体の働きから、心の動きに至るまで――あらゆる生命活動はすべて「気」によって支えられていると考えられています。
🌀 「気」という漢字の起源(語源)
「気」という字の原型は、殷王朝の時代に使われていた甲骨文字の「气」にさかのぼります。
世界で最も古い漢字辞典とされる『説文解字(せつもんかいじ)』には、この文字は「雲」や「蒸気」「息」を表す象形文字だと記されています。
その後、「气」という文字から「氣」という字が使われるようになったのは、戦国時代の竹簡(ちくかん)や帛書(はくしょ)においてです。
「气(蒸気)」に「米」を組み合わせて「氣」と表すようになったのは、ご飯を炊くときに立ちのぼる湯気をイメージしたものだと考えられています。
この頃から「氣」は、単なる蒸気を表すだけでなく、雲からの雨を受けて育った米が人を養い、命を支えることに重ね合わせて、「生命を支える息」や「エネルギー」という意味を持つようになりました。
現代の日本で普段使っている「気」は、もともとの「氣」を簡略化したものです。
戦後、画数が多いことから、「氣」の下にある「米」の部分から「メ」に簡略化され、現在私たちが日常的に目にする「気」という形になったといわれています。
✅ まとめ
- 「气」=雲や蒸気を表す字 → 甲骨文から存在
- 「氣」=「米」+「气」の形 → 戦国時代に登場、生命エネルギーの意味に拡張
- 前漢時代にはすでに思想・医学の中心語として定着
「氣」は、目に見えにくいけれど確かに存在する“生命の息吹”を表しています。
🌱 東洋医学における「気」の種類
生命活動の根源的なエネルギーである「気」は、一つのまとまりとして存在するのではなく、いくつかの種類に分けて考えられています。
| 【気の種類】 | 【読み方】 | 【主な役割・特徴】 |
| 先天の気 | せんてんのき | 生まれつき体に備わっている、両親から受け継ぐ生命の根源的エネルギー。 |
| 後天の気 | こうてんのき | 飲食物や呼吸から得られるエネルギー。 |
| 臓腑の気 | ぞうふのき | 五臓六腑に含まれているエネルギー。臓腑の働きを維持する。 |
| 経絡の気 | けいらくのき | 気が経絡を巡ることで、臓腑の機能や体全体の調和が保たれる。 |
| 真気 | しんき | 体内の正しい気、全体的生命力。 |
| 正気 | せいき | 邪気に対抗するエネルギー。 |
| 邪気 | じゃき | 病気の原因となる異常なエネルギー。 |
| 元気 | げんき | 生命活動を支える日常のエネルギー。 |
東洋医学では、私たちの生命の源を「先天の気」と呼びます。
これは両親から受け継ぐ、体の根本的なエネルギーで、成長や生殖、体全体の活動の基盤となるものです。
そして、私たちは生まれた後も食事や呼吸によって新たなエネルギーを取り入れています。
この「後天の気」と結びつくことで、体内では日々の生命活動を支える具体的なエネルギーが生まれます。
🌿重要な3つの「気」の働き
体内で生まれる「気」には、さらに役割ごとに分けられます。
その中でも特に重要な役割を持つのが、宗気(そうき)・営気(えいき)・衛気(えき)の3つです。
| 【気の種類】 | 【読み方】 | 【主な役割・特徴】 | 【関連部位】 |
| 宗気 | そうき | 呼吸・発声・血流を助ける。 | 胸に集まる。 |
| 営気 | えいき | 血とともに栄養を全身に運ぶ。 | 血管内をめぐる。 |
| 衛気 | えき | 外邪から体を守る、防御・体温調節。 | 皮膚・毛穴をめぐる。 |
このように、同じ「気」でも、それぞれが担当する場所や役割が異なり、体全体の調和を保っています。
💡 ワンポイントイメージ
- 宗気=呼吸や声を支える力
- 営気=血と一緒に巡る栄養
- 衛気=体を守る壁・防御
東洋医学における「気」とは、目に見えない生命のエネルギーであり、体を動かし、臓腑を巡り、健康を維持する根本的な力のことです。私たちが元気に活動できるのも、この「気」が体内でスムーズに巡っているからです。
日常の言葉にも「気」は深く根付いています。「元気がある」と言うときは、体の気が十分に充実している状態を表していますし、「気になる」「気が変わる」といった表現は、気の動きや心の働きと結びついています。逆に「気を落とす」「気が病む」と言うときは、気の巡りやバランスが乱れ、体や心に不調が生じていることを示しています。
つまり、「気」は単なる抽象的な概念ではなく、私たちの 健康状態・精神活動・病気の兆候 を表す、生活と密接に結びついた重要な指標なのです。東洋医学では、この気の状態を鍼やお灸、漢方薬などで整えることが、病気を予防し、心身の調和を保つための基本とされています。
次回は、東洋医学のもうひとつの基本概念である 「陰陽」 についてご紹介します。
気の流れやバランスと同じように、私たちの体と心の健康を理解するうえで欠かせない考え方です。
「陰と陽のバランス」がどのように日常生活や体調に影響するのか、一緒に見ていきましょう。
今日のお話が少しでも役に立ったら嬉しいです♪
健康は毎日の積み重ね。
凜鍼灸治療院 は、あなたの元気を全力応援します!
それではまた次回、カラダ整えて、心も凜(りん)と!

