夏の土用は、内臓をしっかり休めよう!

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東洋医学の知恵を活かして、カラダもココロも整えていきましょう!
夏の土用がはじまります!
もうすぐ夏休みに入り、暑さもいよいよ本格的になってきます。
暦の上では、立秋の前の 7月19日(土)から8月6日(水) までを「夏の土用(どよう)」と呼びます。
これは、季節の変わり目にあたる期間で、次の季節を迎えるための 体の調整期間 と考えられています。
暦の上では「夏の終わり」とされていますが、実際には一年の中でもっとも暑さが厳しい時期です。そんな猛暑を乗り越えるために大切な「夏の土用」の養生について、これから一緒に見ていきましょう。
- 夏の土用とは?
- 夏土用のと体の関係
- 夏土用の養生ポイント
- 夏土用の丑の日になぜ鰻を食べる?
年に4回やってくる土用とは?
暦の上では、立春・立夏・立秋・立冬の前、およそ18日間を「土用(どよう)」という期間とし、年に4回あります。
2025年の土用期間
- 冬の土用:1/17~2/2 (土用の未の日=1/26)
- 春の土用:4/16~5/4 (土用の戌の日=4/23)
- 夏の土用:7/19~8/6 (土用の丑の日=7/19、7/31)
- 秋の土用:10/20~11/6(土用の辰の日=10/26)
なぜ「土」なのか?
東洋医学の基本概念である「五行説」では、自然界の自然界のすべてのものは「木・火・土・金・水」の5つの要素によって成り立ち、互いに影響し合っていると考えられています。
「木・火・土・金・水」はそれぞれ季節にも対応しています。
| 【要素】 | 【自然界での意味】 | 【季節】 | 【臓腑】 |
| 木 | 伸びゆく力、成長 | 春 | 肝・胆 |
| 火 | 燃える力、上昇 | 夏 | 心・小腸 |
| 土 | 包み込む力、調整 | 季節の変わり目(土用) | 脾・胃 |
| 金 | 収束する力、固まる | 秋 | 肺・大腸 |
| 水 | 潤す力、冷やす | 冬 | 腎・膀胱 |
🍉 夏の土用と体の関係
東洋医学では、この時期は 「脾(ひ)」=消化吸収をつかさどる胃腸 が疲れやすくなると考えます。
冷たいものの摂りすぎや、寝不足、クーラーによる冷えが重なると、だるさや食欲不振、むくみが出やすいのもこの時期ならではです。
夏土用の期間に起こりやすい体調不良
- 食欲がわかない
- 体がだるい
- むくみやすい
- 下痢や便秘がち
さらに、冷房による体の冷え、寝苦しさからくる睡眠不足なども重なりやすく、「体が重い・やる気が出ない」 と感じる人が増えるのもこの時期の特徴です。
🌿 夏土用に起こりやすいメンタル症状
東洋医学では、脾は思を生じる とされ、胃腸が弱ると「考えすぎ」「心配しすぎ」に傾きやすいと言われています。
夏土用は、暑さ・湿気・冷たいものの摂りすぎで脾が疲れやすいため、心もバランスを崩しやすい時期です。
- 考えすぎ・心配しすぎ
小さなことが気になりやすく、寝る前にあれこれ思い出してしまう。 - 集中力の低下
勉強や仕事をしていても頭が働きにくい。 - やる気が出ない・無気力感
暑さによる疲れや寝苦しさでエネルギーが消耗し、気持ちが前向きになりづらい。 - 気分の浮き沈み
脾の弱りから「思」の感情が過剰になると、落ち込みやすくなったり、気分が揺れやすくなる。
夏土用の養生ポイント
暑さが続くなかで、体も心も疲れやすくなる夏土用。
昔から伝わる知恵を少し取り入れるだけで、季節の変わり目を心地よく過ごせます。
ここからは、夏土用を元気に乗り切るための養生ポイントをご紹介しますね。
🌞肉体面の養生ポイント
- 胃腸をいたわる:冷たいものを控え、温かいスープやお粥を取り入れる。
- 水分とミネラル補給:麦茶や梅干しなどで塩分・ミネラルを補う。
- 適度な運動・汗をかく:朝や夕方に軽いウォーキング、半身浴で発汗を促す。
- クーラーの冷え対策:首・お腹・足首を腹巻やレッグウォーマーで守る。
- 睡眠の質を高める:夜更かしを避け、涼しい環境でしっかり眠る。
🌿精神面の養生ポイント
- 考えすぎを手放す:予定を詰め込みすぎず、ひと息つく時間をつくる。
- 気持ちをゆるめる:深呼吸や軽いストレッチ、瞑想でリラックス。
- 自然に触れる:緑や水辺を散歩して気を巡らせる。
- 喜びを意識する:好きな音楽や趣味の時間を増やす。
- 早寝早起きでリズムを整える:規則正しい生活が心の安定につながる。
🐟 なぜ「うなぎ」や「“う”のつく」ものを食べるの?
夏の土用といえば「丑の日の鰻」が有名ですよね。
昔から、夏の土用の丑の日には“う”のつく食べ物、黒いものを食べるという習慣があります。
江戸時代に平賀源内が「本日、土用丑の日」と売り文句を考えた、という有名な説がありますが、
単なるキャッチコピーではなく、栄養学・養生の知恵にもかなっています。
- 高栄養で夏バテ防止!
ウナギはビタミンA・B群、D、E、EPA、DHAなどが豊富。
疲労回復・食欲増進・滋養強壮に役立ちます。 - 脂のあるもの=エネルギー源!
暑さで消耗した体力を補い、弱った脾胃を助けるため、脂が多く消化のよいものを食べる習慣がありました。
🍉「う」がつくものを食べる理由
土用の丑の日に「丑(うし)」→「う」のつくものを食べると夏負けしない、と昔から言われています。
これは語呂合わせの民間信仰でありながら、選ばれた食材にはちゃんと理由があります。
- ウナギ(高栄養)
- 梅干し(クエン酸で食欲増進、殺菌効果)
- 瓜(うり)類(水分補給、体を冷やす:キュウリ、スイカ、冬瓜など)
- うどん(消化がよく、食欲のない時に食べやすい)
⚫ 「黒いもの」を食べる理由
東洋医学の五行説では、季節や色、臓腑が対応しています。
| 【五行】 | 【色】 | 【臓腑】 | 【季節】 |
| 木 | 青 | 肝 | 春 |
| 火 | 赤 | 心 | 夏 |
| 土 | 黄 | 脾 | 土用(季節の変わり目) |
| 金 | 白 | 肺 | 秋 |
| 水 | 黒 | 腎 | 冬 |
夏の土用は「脾」が弱る時期ですが、昔の養生法では 「腎(水)」を補う黒い食材 を摂ることで、体の根本のエネルギーを養い、消耗を防ぐと考えられていました。
- 黒ゴマ(ビタミン・ミネラル豊富、潤いを補う)
- ひじき・わかめ(ミネラル補給)
- うなぎの皮やタレの焼き目も「黒」に通じる、とする説も。
また「黒」は、暑さで体にこもる「陽」のエネルギーを鎮める“陰”のイメージもあり、体を落ち着かせる色として好まれました。
夏土用は、一年でもっとも暑さが厳しい季節の変わり目であり、東洋医学では脾を整えることが重要な時期とされています。
体調や気分の不調が出やすい時こそ、養生を意識することで不調を未然に防ぐことができます。
どうぞこの期間を、心身の調整期間として上手に活用してくださいね。
次回は「東洋医学の話①」をご紹介します。お楽しみに!
今日のお話が少しでも役に立ったら嬉しいです♪
健康は毎日の積み重ね。
凜鍼灸治療院 は、あなたの元気を全力応援します!
それではまた次回、カラダ整えて、心も凜(りん)と!


