やさしい東洋医学入門!第8章「血の不調とは?」

東洋医学を表したイラスト

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☯️「血(けつ)」は体と心を潤し、温め、養うエネルギーの源!

前回(やさしい東洋医学入門!第7章↗)は、東洋医学の基本となる「(き)・(けつ)・(津液)」のうち、目には見えない生命エネルギーである「」の不調についてお話ししました。
」は、私たちの体と心を動かす原動力
この「」が不足したり、滞ったり沈んだり逆流したりすると、さまざまな不調として現れてきます。

今回は、その「」とともに私たちの体を支えるもうひとつの要、「(けつ)」の不調についてお伝えします。
がどのように体をめぐり、どんなときにバランスを崩すのか――そのサインを一緒に見ていきましょう。

🩸 「血」の巡りが悪くなると、体も心も乾いてしまう!

(けつ)」とは、西洋医学でいう血液とほぼ同じ意味ですが、血液の成分や循環といった働きまでを含む、もう少し広い概念を指します。
は「気」と同じように、体の中をめぐり続けることで生命活動を支えています。
そのため、この巡りに滞り不足などの異常が起こると、さまざまな不調があらわれてきます。

🩸「血」の不調の種類と原因

では、「」のめぐりが悪くなる原因について見ていきましょう。

〈種類〉〈状態〉〈原因〉〈症状〉
血虚(けっきょ)「血」が不足栄養不足過労/睡眠不足/食事の偏り/慢性の出血顔色が白い・めまい・髪や爪が弱い・生理が少ない
瘀血(おけつ)「血」の滞り冷え/ストレス/運動不足/長時間同じ姿勢肩こり・頭痛・生理痛・シミ・くすみ・慢性痛
血熱(けつねつ)「血」に熱がこもるストレス/辛いもの・アルコールの摂りすぎ/寝不足顔が赤い・のぼせ・鼻血・吹き出物・月経過多・血尿
  • 血虚」とは、「血」が不足して起こる不調のことです。
    出血や月経などで血の消費が多くなると、体内の血の量が減り、血虚の状態になります。
    また、血を生み出すには「(き)」のエネルギーが必要です。
    そのため、気が不足していると血を十分に作ることができず、結果として血虚を引き起こす原因にもなります。
  • 瘀血」とは、「血」の流れが悪くなり、体の一部に滞ってしまう状態をいいます。
    その原因はさまざまで、血の巡りを先導する「気」が不足する〈気虚〉や、気の流れが滞る〈気滞〉によって血が動けなくなることがあります。
    また、体に熱が足りない〈冷え〉や、逆に熱が過剰になって血がドロドロと粘りを帯びることも、瘀血を引き起こす原因になります。
  • 血熱」は、体の中の「血」に熱がこもってしまう状態です。
    その結果、吹き出物などの皮膚トラブル、鼻血、月経過多といった、ほてり熱感をともなう不調があらわれます。

🌿 「血」の不調と、それぞれ異なる治療法

ここまで、血虚瘀血血熱といった「血の不調」について見てきました。
では、それぞれの不調に応じてどのように整えていくのか、治療法について詳しく見ていきましょう。

〈病態〉〈治療法〉〈生活指導〉
血虚(けっきょ)養血(ようえつ)
→血を補う、体を潤す
栄養バランスの良い食事、十分な睡眠と休養、過労やストレスを避ける、軽い運動で血流促進
瘀血(おけつ)活血(かっけつ)
→血の流れを改善、滞りを解消
適度な運動で血流促進、冷えを避ける、長時間同じ姿勢を避ける、ストレス管理(呼吸法・瞑想など)
血熱(けつねつ)清営涼血(せいえいりょうけつ)
→血の熱を冷ます、潤いを補う
辛いもの・アルコールの摂りすぎを控える、冷たい食材や水分で体を潤す、十分な睡眠、ストレスや興奮を抑える生活(深呼吸、軽い運動)

(けつ)」の不調には、症状や原因に応じた異なるアプローチが有効です。
血虚には不足した血を補う〈養血〉瘀血には滞った血の流れを整える〈活血〉血熱には血の熱を冷ます〈清営涼血〉といった方法が基本となります。
さらに、鍼灸や漢方、生活習慣の改善を組み合わせることで、血の巡りを整え、体と心の健康を維持することができます。



今回は「血の不調」についてお伝えしました。
血虚や瘀血、血熱といった状態は、それぞれ原因や症状が異なりますが、いずれも血の巡りが体にさまざまな影響を与えることがわかりました。
血の巡りを整えることで、疲れや肌トラブル、冷え、気持ちの落ち込みなども改善しやすくなります。

次回は、体内の水分バランスを保つ「(津液)」の不調について、詳しく探っていきます。


今日のお話が少しでも役に立ったら嬉しいです♪
健康は毎日の積み重ね。
凜鍼灸治療院 は、あなたの元気を全力応援します!

それではまた次回、カラダ整えて、心も凜(りん)と!

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