猛暑で「暑」が過剰になり「暑邪」となって襲います!
長引く夏は「暑邪」と「火邪」が暴れだす!
8月に入り、暦(立秋)の上では「秋」になっていきますが、まだまだ暑い日が続いています。
東洋医学(中医学)では、気候の変化が病気の原因になる「外因(がいいん)」という考え方があります。
外因には、自然界の6種類の気候変化の異常(六淫または六邪)が体内に侵入し、病気を発症すると考えられています。
六気(気候の変化) | 風、寒、暑、湿、燥、火 |
六気の異常(例:猛暑、冷夏) | 風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪 |
異常気象と六淫(六邪)
今年(2024年)の関東は梅雨入りが平年より2週間も遅れ、梅雨の季節に多い「湿邪」による体調不良を長い期間訴える方が多くいらっしゃいました。
そして、梅雨時の「湿邪」に加え、7月頃から増える「暑邪」による体調不良と、8月頃から多くなる「火邪(熱邪)」が加わった体調不良を訴える方が、今年はこの時期に多くご来院されているように感じています。
- 湿邪(下半身に症状がでやすい):尿がすっきりでない、胸のつかえ、足のむくみ、倦怠感、関節の痛み、手足の重だるさなど
- 暑邪(熱をおびた症状):高熱、顔が赤くなる、大量の汗をかく、喉が渇く、息切れ、脱力感など
- 火(熱)邪(蒸発、炎上する症状):高熱、顔が赤くなる、目の充血、大量の汗をかく、不眠、歯茎の腫れ、便秘など
夏特有の邪気である「暑邪」は燃えるように暑い性質をもっているため、高熱や顔の赤み、大量の汗などの症状がでやすくなります。
汗を多くかくと体の正常な水分(津液)を消耗し、いっしょにエネルギーである「気」も排出してしまうため、息切れや脱力感などの症状もあらわれます。
また、猛暑により暑邪に火邪(熱邪)が加わると、火のように上に炎上する性質により、高熱や顔や目が赤くなる、歯茎が腫れて痛むなど、体の上部に症状が現れやすくなります。
「火邪」は火があわただしく動くように体の上部をかき乱す性質があるため、精神状態が不安定になったり、不眠になったりすることもあります。
高温多湿の日本の夏は、湿邪、暑邪、火邪(熱邪)による体調不良に気をつけましょうね!
次回は「東洋医学から考える夏バテ・熱中症」についてお伝えします!
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