七夕の節句と東洋医学~7月の養生~

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東洋医学の知恵を活かして、カラダもココロも整えていきましょう!
七夕(しちせき)の節句で健康祈願!
もうすぐ7月7日の七夕ですね。
古くからある五節句のひとつで、「笹の節句」とも呼ばれます。
この日は、中国の伝説「織姫と彦星」の物語に由来し、「年に一度、天の川を渡って恋人同士が出会う日」とされていますが、もともとは古代中国の風習「乞巧奠(きこうでん)」が起源です。
乞巧奠とは、織姫にあやかって裁縫が上達するように願いを込め、庭先に針や糸などの裁縫道具を供えて星に祈る行事です。
七夕は「たなばた」と読みますが、本来は「しちせき」と読みます。
織姫と彦星の伝説、乞巧奠が中国から伝わり、もともとあった「棚機(たなばた)」という神事が結びついたと考えられています。
「棚機(たなばた)」とは、「棚機女(たなばたつめ)」という女性が、清い水辺にある機屋(はたや)に籠って神様のために心を込めて着物を織ってお供えし、神様を迎えて豊作を祈ったり、人々の穢れを祓ったりする神事です。
この背景をふまえると、七夕はただロマンチックな日というだけでなく、
「願いごとを天に届け、自分の心と身体を見つめなおす日」ともいえるのです。
では、この七夕の頃、わたしたちの心と身体にはどんな変化があるのでしょうか?
- 7月に起こりやすい体調不良
- 七夕と陰陽五行
- 7月の養生ポイント
- おまけ(七夕飾りの意味)
7月は陽気(陽のエネルギー)がピークを迎えます!
東洋医学では、すべての現象を「陰(いん)と陽(よう)」という2つのエネルギーでとらえます。
この2つのエネルギーのうち、「陽」のエネルギー(=陽気)が最も盛んになる季節が、夏至~7月頃と言われています。
☀️「陽気がピーク」とは?
- 太陽の力が最も強い
- 日照時間が長い
- 気温が高い
- 身体も外に向かって開き、活動的になる
つまり、自然界の「陽」が極まった状態です。
しかし、陽気が高まりすぎると、熱がこもる、疲れが出る、水分が消耗するというリスクも現れるので注意も必要です。
🔥陽気が過剰になっている「体」のサイン
- 顔がほてりやすい
- 頭や首が熱く感じる
- 汗がとまらない、または寝汗をかく
- 口や喉が渇く(冷たいものを欲する)
- 動悸がする、脈が速い
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- 便が硬い、または便秘がち
- 舌の先が赤い、もしくは口内炎ができやすい
💭陽気が過剰になっている「心」のサイン
- イライラしやすい、怒りっぽい
- 落ち着かず、気持ちが焦る
- 集中力が続かない
- 不安感が強くなる
- 理由もなく涙が出そうになる
- 気持ちが浮き沈みしやすい
7月は「火」から「土」への移行期
東洋医学では、季節や人体、感情などあらゆるものを「五行(木・火・土・金・水)」に分類して捉えます。
五行 | 季節 | 臓腑 | 特徴 |
---|---|---|---|
木 | 春 | 肝・胆 | 伸びる・発散 |
火 | 夏 | 心・小腸 | 熱・上昇 |
土 | 長夏(梅雨〜夏土用) | 脾・胃 | 消化・湿気 |
金 | 秋 | 肺・大腸 | 収斂・乾燥 |
水 | 冬 | 腎・膀胱 | 蓄える・寒冷 |
7月は、「火(夏)」の終わりと「土(長夏・土用)」の始まりが重なる時期。
つまり、熱と湿が混ざり合う、もっとも不安定で体調を崩しやすいタイミングと言えるでしょう。
🌀 7月に起こりやすい体調不良と五行的な原因
7月は「火」から「土」へ移り変わる季節のはざま。
「土用」という移行期とも重なり、消化器系、循環器系、精神的な不調が起こりやすくなります。
🔥【火】の不調(心・小腸)
夏は「火」の季節で、「心」が最も活動的になります。
7月前半は陽気が極まり、「心火」が暴れると、精神的な不調(不眠・イライラ)や循環器の乱れが起こります。
- のぼせ、動悸、息切れ
- 不眠、寝つきが悪い、夢が多い
- 舌先の赤み・口内炎
- イライラ、焦り、不安感
🌿【土】の不調(脾・胃)
7月中旬以降は「土」の季節。湿気が強くなることで「脾」が弱ります。
湿気は「脾」の働きを停滞させるため、消化不良・水分代謝の低下が起こりやすくなります。
- 胃のもたれ、食欲不振
- 下痢または軟便
- 体が重だるい、朝起きられない
- むくみやすい、口がねばつく
7月の養生ポイントー「熱」と「湿」から身体を守る ―
暑さも本格的になり、湿度も高くなるこの時期。
7月を健やかに乗り越えるための「養生ポイント」をご紹介します。
🔥 陽気(熱)のこもりをしずめる
- 早朝や夕方の涼しい時間帯に軽く体を動かす(散歩・ストレッチなど)
- 過度な運動・夜更かし・刺激的な食事は控える
- 菊花茶・ミント・百合根・蓮の実など、心火(しんか)を鎮める食材をとる
💧 湿邪(しつじゃ)をためこまない
- 冷たいもの・甘いものの摂りすぎを避ける
- とうもろこし、はと麦、枝豆、冬瓜、緑豆、梅干し、しそ、しょうがなど湿気をとる食材を積極的に摂る。
- 冷房の冷えに注意し、お腹や足を冷やさない服装を意識
- 胃腸を休めるため、食事の時間を整え、腹八分目を心がける
🛌 「陰」を養い、質の良い睡眠を心がける
- 寝つきが悪いときは、ぬるめのお風呂、スマホ断ち、アロマなどを利用する。
- 夜更かし・過労を避け、質の良い睡眠(陰を補う時間)を大切にする。
- 寝る前に深呼吸をして、自律神経を整える
💖心の養生も大切にする
- 焦りやイライラを感じたら、深呼吸、香りや音楽でリセットする。
- 意識して「休む時間」をつくる。
✨おまけ
七夕の節句では、笹にたくさんの種類の飾りをします。
それぞれの飾りには意味があり、ひとつひとつに願いが込められているのを知っていますか?
七夕飾りの意味
- 短冊:白・赤・黒・黄・青の5色あり、陰陽五行説の「木・火・土・金・水」にちなんで万物を表す色として使われています。
- 提灯:魔除けの意味と、明るい未来への願いが叶うことを意味している。
- 網飾り:漁師が使用する網をイメージした飾りで、大漁・豊漁・豊年・豊作祈願の意味。
- 巾着:金運アップの飾り。
- 吹き流し:魔除けの意味があり、「裁縫が上手になりますように」という願いも込められている。
- 折り鶴:長寿を願う飾り。
- 織姫と彦星:2人の愛が永遠に続きますようにとの願いが込められた飾り。
- くずかご:整理整頓が上手くなり、そして「物を大切にする心」を表現している。
- 輪飾り:5色の紙でつなげることで、人と人とのご縁やつながり、また夢がつづきますようにとの思いを込めた飾り。
- 紙衣:着るものに困らないように、そして裁縫が上手くなるようにとの願いが込められている飾り。
- 菱飾り:天の川をイメージした飾り。
- 星飾り:みんなの願いが星まで届きますように、との願いが込められた飾り。
- 笹の葉:葉っぱの先が尖っていることから「邪気払いで願いが叶いやすいように」との願いが込められている。
七夕の飾りは、前日の6日の織るに飾りつけて外に出し、当日の夜には片づけるのが習わしです。
短冊に書く願いごとは、1年間で必ず叶えられる内容であることがポイント!
七夕の節句とは、自分がどんな夢を持って、どんなことを実行したいのか、人生設計の目標を思いかえす日でもあります。
みんなで楽しく、笑顔で七夕の節句を過ごしたいですね。
陽気が極まり、湿気が増す7月。
心と身体は、気づかぬうちにバランスを崩しやすくなる時期です。
七夕の短冊に書く願いごとは、未来のためだけでなく、「いま」の自分を見つめなおす時間でもあります。
七夕の節句に、自分の心と身体に「大丈夫?」と問いかけてあげることも大切ですよ。
次回は「夏の土用の過ごし方」をご紹介します。お楽しみに!
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健康は毎日の積み重ね。
凜鍼灸治療院 は、あなたの元気を全力応援します!
それではまた次回、カラダ整えて、心も凜(りん)と!