東洋医学と八専(はっせん)の過ごし方

東洋医学と八専についてのイラスト

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陰陽五行と暦が織りなす心身のリズム

最近、なんとなく疲れやすい、気分が不安定、眠りが浅い…
そんな不調を感じることはありませんか?
実はそれ、自然のリズムと関係しているかもしれません。
東洋医学では、季節や暦の流れが私たちの心身に大きく影響を与えると考えられています。
今回はその中でも「八専(はっせん)」という特別な期間に注目し、心と体のバランスを整えるヒントをお届けします。

  • 意味と性質
  • 八専の期間
  • 身体への影響
  • 八専の時期の過ごし方

カレンダーは暮らしと健康の羅針盤だ!

私たちが毎日目にするカレンダー。
予定を立てる、何かを始める、休む、動く…。
でも実はそのカレンダーには、目に見えない「気の流れ」も記されていたのです。

東洋の暦には、体調のゆらぎや自然の巡りに寄り添った知恵がつまっています。
なかでも「八専(はっせん)」という期間は、ちょっと注意が必要な時期があります。

八専の意味と性質

私たちがふだん使っているカレンダーは、「日付」「曜日」「祝日」が整然と並ぶ「西暦(グレゴリオ暦)」が基本です。しかし、昔の暦には、

  • 今日は何をすると良い日か
  • 何を避けたほうがいいか
  • 天の気や地の気がどう流れているか

といったことが毎日分かるようになっていました。
それが「歴注(れきちゅう)」と呼ばれる部分です。

歴注の種類

  • 六曜(ろくよう):いちばん有名な歴注
【六曜】【意味・特徴】
大安(たいあん)なんでもうまくいく吉日
仏滅(ぶつめつ)物事がうまくいきにくい凶日
友引(ともびき)祝い事には吉だけど、葬式には避ける日
  • 暦注下段(れきちゅうげだん):人気がある歴注
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)小さな努力が大きく実る日
天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)天がすべてを許す最強の吉日
不成就日(ふじょうじゅび)始めたことが成就しにくい日
三隣亡(さんりんぼう)建築などをすると災いが隣近所に及ぶとされる日

八専(はっせん)とは?

東洋医学では、人体を自然の一部ととらえ、四季や暦との調和の中で健康を維持することが重要とされています。
なかでも歴注に含まれる「八専」と呼ばれる重要な期間があります。

八専とは、十干十二支(じっかんじゅうにし)の組み合わせである「干支(かんし)」の中でも、特定の「十干八組(=8つの干支の組み合わせ)」が巡ってくる期間を指します。

この期間は「陽気または陰気に偏る」とされ、五行(木・火・土・金・水)の調和が乱れやすくなります。
これは気候や環境の変化だけでなく、感情や体調にも現れやすい時期とされています。

十二支(じゅうにし)
  • 🐭 子(ね)
  • 🐮 丑(うし)
  • 🐯 寅(とら)
  • 🐰 卯(う)
  • 🐲 辰(たつ)
  • 🐍 巳(み)
  • 🐴 午(うま)
  • 🐑 未(ひつじ)
  • 🐵 申(さる)
  • 🐔 酉(とり)
  • 🐶 戌(いぬ)
  • 🐗 亥(い)

もともとは動物ではなく、時間・方位・季節・性質を表す記号だったのですが、覚えやすくするために動物が割り当てられました。

十干(じっかん)

自然界の気の流れ(五行+陰陽)を10のパターンに分けたものを「十干」と呼びます。

【五行】【陽】【陰】
木(もく)甲(こう・きのえ)乙(おつ・きのと)
火(か)丙(へい・ひのえ)丁(てい・ひのと)
土(ど)戊(ぼ・つちのえ)己(き・つちのと)
金(こん・ごん)庚(こう・かのえ)辛(しん・かのと)
水(すい)壬(じん・みずのえ)癸(き・みずのと)

八専とは、十干十二支(干支)からなる六十干支のうち、特定の干支(十干の「壬」「癸」、十二支の「子」「丑」「辰」「巳」「未」「申」「戌」「亥」)が特定の組み合わせで現れる12日間の期間を指します。これは60日に一度訪れます。

八専の「八」とは、以下の八つの干支を含むという意味があります。

  1. 壬子(みずのえ・ね)
  2. 癸丑(みずのと・うし)
  3. 甲辰(きのえ・たつ)
  4. 乙巳(きのと・み)
  5. 丙未(ひのえ・ひつじ)
  6. 丁申(ひのと・さる)
  7. 戊戌(つちのえ・いぬ)
  8. 己亥(つちのと・い)

これら8日間を含む前後2日【間日(まび)】を含めて計12日間が「八専」となります

八専の期間はいつ?

八専は年に6回巡ります。
各期間はいずれも12日間で、その内の8日が「専(日)」、残り4日が「間日(まび)」です。

■ 2025年の八専

  • 2月12日 ~ 2月23日
  • 4月13日 ~ 4月24日
  • 6月12日 ~ 6月23日
  • 8月11日 ~ 8月22日
  • 10月10日 ~ 10月21日
  • 12月9日 ~ 12月20日
  • 専日(合計8日間)…同じ「気」の組み合わせが重なる日。
  • 間日(合計4日間)…八専の中でも「気の重なり」がない日。

八専が身体に与える影響とは

東洋医学では、「人は自然の一部である」との前提のもとに施術が行われます。
八専の期間には、以下のような注意が必要とされています。

  • 気の流れが乱れやすい:肩こり、頭痛、腹痛、胃腸不良
  • 免疫力の低下:風邪をひきやすい、古傷が痛む、慢性疾患の悪化
  • 自律神経の乱れ:睡眠障害、動悸、冷え、ほてり
  • 精神面への影響:イライラ、不安感、焦燥感

各季節の八専と健康への影響(2025年度)

📅 晩冬〜初春(2月12日~2月23日):腎・肝が影響を受ける

  • イライラ・頭痛・目の疲れ・筋のこわばり、腰痛・頻尿・下半身の不調に注意

📅 春の終わり(4月13日~4月24日):肝・心が影響を受ける

  • 悸・不眠・焦燥感、アレルギー・自律神経の乱れに注意

📅 梅雨・長夏の入り口(6月12日~6月23日):脾・胃が影響を受ける

  • むくみ、だるさ・、食欲不振、下痢、気分の重さ、集中力の低下に注意

📅 晩夏~初秋(8月11日~8月22日):脾・肺が影響を受ける

  • 胃腸の不調、肌あれ、呼吸器の乾燥、食欲低下・睡眠の質の低下に注意

📅 秋の深まり(10月10日~10月21日):肺・大腸が影響を受ける

  • のど・鼻・肌の乾き、便秘、秋の悲しさに注意

📅 冬本番(12月9日~12月20日):腎・膀胱が影響を受ける

  • 冷え・むくみ・関節痛・頻尿に注意

八専の過ごし方

東洋医学の観点から、八専の時期を穏やかに過ごすためには以下のことが勧められます。

  1. 食事
    消化に優しく、身体を温める食事を心がける。
    季節の野菜や穀物を中心とした「旬のもの」を食事にとりいれる。
  2. 生活習慣
    睡眠をしっかりとる。
    無理な運動よりも、ヨガやストレッチなどが有効。
  3. 感情のケア
    感情を抑えすぎず、自然に流す意識が大切。
    瞑想やアロマなどを利用して、心を静める工夫をする。

「八専」は現代ではあまりなじみがない言葉ですが、自然と調和する暮らしを大切にする東洋医学においては、「気」の変動が大きい重要なタイミングです。

暦のリズムに耳を傾け、無理をせず、心と体にやさしく向き合うことで、より健やかな日々を過ごすヒントとなるでしょう。


次回は「東洋医学の知恵を活用した梅雨の過ごし方」をご紹介します。お楽しみに!


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凜鍼灸治療院 は、あなたの元気を全力応援します!

それではまた次回、カラダ整えて、心も凜(りん)と!

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