冬の土用はなぜ「未(ひつじ)」の日なのか?

凜鍼灸治療院の健康ブログ「冬の土用」について

十二支と季節の関係

いよいよ「冬の土用」が始まりましたね。
2025年の冬の土用は〈1月17日~2月2日〉までの期間を指します。

みなさんは「土用」ときくと、夏の「土用の丑の日」を思い浮かべると思います。
これは、江戸時代の学者である平賀源内が発案したと言われています。
平賀源内が知り合いのうなぎ屋に「本日土用丑の日」という看板を出させたところ、大繁盛したことから他のうなぎ屋も真似するようになったことで習慣が定着したそうです。
ではなぜ、夏の土用にうなぎを食べるのでしょうか?

これは、東洋医学の基本概念のひとつである〈陰陽五行説〉の考え方によるものです。

〈陰陽五行説〉とは、古代中国から伝わる自然哲学思想の考え方であり、万物を「陰」と「陽」の相反する二次元なエネルギー(陰陽論)と、5つの要素(五行説)(木、火、土、金、水)から成り立っているというものです。
季節も5つに分けて考えており、春、夏、土用季節の変わり目、秋、冬となります。

【五行】【季節】【色】【臓】
土用(四立)

また、古代中国では時間や方角を示すのに「十干(じっかん)と十二支」を使って時間方角を示しています。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
1~3時4時6時8時10時12時13~14時15~16時17~18時20時21~23時0時

相生(そうせい)と相剋(そいこく)

東洋医学の基本概念の一つである〈陰陽五行説〉には、好き嫌いに関する理論があり、それぞれを「相生(そうせい)」と「相剋(そうこく)」関係と言います。

  • 相生:よい影響を及ぼす関係。
       木が燃料となって火を生み、火が燃えると灰(土)ができ、地中(土)から金が生まれ、
       金の表面に水滴(水)でき、水が木を成長させる。
  • 相剋:悪い影響を及ぼす関係。
       水は火を消し、火が金属を溶かす、金属(斧)が木を切り倒し、木の根が土を痛め、土が水をせき止める。

相剋関係には、互いに衝突し合い相手の良い部分を弱める意味のほかに「中和」する意味も含まれており、対角線上にある邪気を攻撃する、力を弱めることができます。
つまり、対局に位置する干支の力を借りるという考え方から、各季節の土用の対局の干支の日に、干支の頭文字のものを食べる養生の習慣が生まれたと言われています。

【土用】【干支】【対局の干支】【頭文字の食べ物】
春の土用いちご、いわし、いか
夏の土用うなぎ、梅干し、ウニ
秋の土用大根、玉ねぎ、鯛、タコ
冬の土用ひらめ、ひじき、ひよこ豆

以上のことをふまえて、次回は「冬の土用の過ごし方」についてお伝えしていきます。

本日も最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
(大変励みになります!)


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