ストレスが及ぼす感情の変化からくる体調不良
精神状態の変化が病気を引き起こす
2023年の凜鍼灸治療院の健康ブログでは、「ストレス」について特集しています!
東洋医学(中医学)では、体の内側から病気を引き起こす原因を「内傷(ないしょう)」とよび、次の4つに分けて考えられています。
- 七情(しちじょう)
- 飲食不調
- 労逸(ろういつ)
- 代謝異常
東洋医学でも精神状態の変化が病気を引き起こすひとつの原因と考えらえてれおり、この精神状態に基づく病因を「七情(しちじょう)」といいます。
七情は、喜(き)、怒(ど)、思(し)、憂(ゆう)、悲(ひ)、恐(きょう)、驚(きょう)の7つの感情の変化を指しています。
私たちの感情は常に変化しており、正常な状態であれば、病気の原因にはなりません。
しかし、なんらかのストレスがかかると、強い感情の変化が起こったり、ある感情が長時間続いたりすると、健康を害する原因になってしまいます。
七情は体の内側からの刺激なので、臓器を直接傷つけ、病気を引き起こしてしまいます。
また、七つの感情の変化はそれぞれ違う症状を引き起こすと考えられているので、感情の違いによって治療法も変わります。
感情の変化は特定の臓器を傷つける
七情は、それぞれが特定の臓器に関係していると考えられています。
七情 | 感情の変化 | 傷つく臓器 |
喜(き) | 喜びすぎる | 「心」を傷つける |
怒(ど) | 怒りすぎる | 「肝」を傷つける |
思(し) | 思いすぎる | 「脾」を傷つける |
憂(ゆう) | 憂いすぎる | 「肺」を傷つける |
悲(ひ) | 悲しみすぎる | 「肺」を傷つける |
恐(きょう) | 恐がりすぎる | 「腎」を傷つける |
驚(きょう) | 驚きすぎる | 「腎」を傷つける |
さらに、行きすぎた感情の変化は「気血」にも影響を与えます。
七情 | 影響を受ける臓器 | 気の障害 | 症状 |
喜(き) | 心 | 気は緩む | 集中力の低下、不眠、失神など |
怒(ど) | 肝 | 気は上る | イライラ、頭痛、目の充血、卒倒など |
思(し) | 脾 | 気は結ぶ | 腹部の張り、食欲不振、軟便など |
憂(ゆう) | 肺 | 気は消える | 息切れ、声のかすれ、疲労感など |
悲(ひ) | 肺 | 気は消える | 息切れ、声のかすれ、疲労感など |
恐(きょう) | 腎 | 気は下がる | 失禁、流産、抜け毛など |
驚(きょう) | 腎 | 気は乱れる | 動悸、不眠、精神錯乱、集中力の低下など |
このように、過剰な感情の変化は、体の内側から臓器の働きに影響を与え、健康を害する原因になるので注意が必要です。
次回は、内傷のなかでも食事による原因である「飲食不調」についてみていきましょう。
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