東洋医学からみる風邪(感冒)の原因
東洋医学からみる風邪(感冒)の原因
1月の凜鍼灸治療院のブログは「風邪とは何か」をテーマにお伝えしています。
風邪(かぜ症候群)とは、ウイルスの感染により呼吸器系が炎症を起こす疾患で、特に空気が乾燥する冬の時期に発症しやすい病気です。
代表的な症状としては、くしゃみ、鼻水、咳、痰、喉の痛み、発熱、頭痛、全身の倦怠感などさまざまな症状があります。
東洋医学で考えられている病気には、体の機能が低下したことで起こるものと、悪いものが外から侵入して起こるものとがあります。
東洋医学でみる風邪は、体の外に原因がある病気の代表です。
体の外の病因(病邪)には、風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(かじゃ)の6つがあります。
これら6つの病邪のうち、かぜ症状の主な原因は風邪(ふうじゃ)と考えられています。
東洋医学からみるかぜ症状は、次の3つに分けて考られます。
- 風寒(ふうかん)タイプ:背中から風邪と寒邪が侵入して起こる。寒気が強く、水っぽい鼻水が出るのが特徴。
- 風熱(ふうねつ)タイプ:鼻や喉から風邪と火邪が侵入して起こる。喉が腫れて、高熱が出るのが特徴。
- 暑湿(しょしつ)タイプ:湿邪が胃腸に取り付いて機能を低下させて起こる。下痢や嘔吐など、胃腸の症状が出るのが特徴。
寒気が強く背中がゾクゾクする風寒タイプは寒邪が強いので、体を温め汗で病邪を発散することが大切です。
風寒タイプとは逆に喉の痛みが強く喉が乾いてしまう風熱タイプのひとは、水分をよく摂り体内の熱を冷ますことで症状が和らぎます。
また、夏や梅雨時に多い胃腸障害を起こす夏かぜ症状の暑湿タイプの人は、消化のよいものを食べて体内に溜まった水分を排出しましょう。
漢方薬で風邪薬といえば「葛根湯(かっこんとう)」を思い浮かべる人が多いと思います。
葛根湯は風邪の初期症状に効果があり、発汗がなく体力はあるが肩や首のコリ、頭痛などに向いている漢方薬です。
風邪症状が進行し、発汗があり胃腸が弱っている人には不向きな漢方薬なので注意しましょうね。
風邪は誰もがかかったことのある病気ではありますが、症状が悪化すると別の症状を続発してしまいます。
「風邪は万病のもと」であり、新型コロナウイルスが世界的に感染拡大している今こそ、風邪予防が大切と言えるでしょう。
次回は「日頃からできる風邪予防」についてお伝えします。
本日も最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
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