東洋医学(中医学)からみる浮腫(むくみ)
東洋医学において浮腫(むくみ)とは、水の巡りが悪くなった状態です
9月の凜鍼灸治療院ブログでは「浮腫(むくみ)」について解説しています。
現代医学(西洋医学)では、浮腫(むくみ)は体液のバランス(浸透圧)が崩れ、組織と細胞の間に余分な水分が以上に増加・貯留した状態を指します。
浮腫(むくみ)の原因として血液循環の悪化、運動不足による筋力低下、アルコール摂取、塩分摂取量過多などの一過性の浮腫(むくみ)と、心臓や腎臓、肝臓の障害による慢性の浮腫(むくみ)があります。
では、東洋医学(中医学)では浮腫(むくみ)をどのように捉えているのでしょうか。
東洋医学では、浮腫(むくみ)の原因を水の巡りの異常と考えています。
水の巡りの異常の事を、東洋医学では「水毒(すいどく)」といい、体内の水分の巡りや排泄がうまく機能せず、体内に余分な水が溜まって体調不良を起こしている状態です。
水毒になってしまう原因は、水分の摂りすぎと水分代謝の低下といわれています。
水毒を起こしている人の代表的な症状としては、浮腫(むくみ)、めまい、頭痛、吐き気、水を飲んでいるのに尿が出にくいなどがあります。
しかし、水毒の悪影響は体の弱い部分に出るとも考えられているので、古傷が痛んだり(関節痛)、鼻炎、肌の湿疹などが出る場合もあります。
東洋医学では、このような水毒の治療においては水分代謝に関係している肺と腎の機能を回復するような施術をおこないます。
また、胃腸が弱い人も水毒になりやすいと考えられているので、胃腸の働きを整える施術も行うと効果的です。
次に、東洋医学からみる代表的な浮腫(むくみ)のタイプをみていきましょう!
浮腫のタイプ | 症状 | 原因 |
水毒(すいどく)タイプ | 口の渇き、尿の量が少ない、頭痛、天気痛 | 水の巡りが体内で停滞した状態 |
瘀血(おけつ)タイプ | めまい、月経不順、月経痛、月経異常、顔色が悪い、全身のむくみ、冷え性 | 血の巡りが滞っている状態 |
腎虚(じんきょ)タイプ | 腰痛、下肢の痛み、排尿障害、口の渇き、手足のほてり | 腎の機能が低下している状態、中高年以上に多い |
女性に多いのが「瘀血」による浮腫(むくみ)です。
月経痛や冷えがつよい女性は、血の巡りを改善するといわれているブルーベリーやほうれん草、黒砂糖などを食生活に取り入れるのがオススメです。
また、中高年以上で虚弱体質の人に多いのが「腎虚」による浮腫(むくみ)です。
腎を補う食材といわれている黒豆、黒米、黒ゴマやキクラゲなどを取り入れてみましょう。
これまで現代医学、東洋医学の両方から「浮腫(むくみ)」をみてきました。
では、この厄介な浮腫(むくみ)を予防・解消するにはどうしたらいいのでしょうか。
次回は「浮腫(むくみ)の予防・解消法」について解説します。
本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
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