深呼吸で感情を整えよう
深呼吸で感情を整えよう
凜鍼灸治療院の11月のブログは、「心のケア」をテーマに特集してきました。
現代医学、東洋医学(中医学)のどちらも環境(気候)の変化や過度にかかるストレスなどが精神面(感情)に与える悪影響を重要視しています。
東洋医学では中国自然哲学思想である五行論により、感情や季節、臓器などこの世のあらゆるものを5つに分類して考えます。
それぞれの季節(五季)で傷つきやすい臓器(五臓)、行き過ぎやすい感情(五志)の関係についてみてきましたが、最終回では「行き過ぎた感情を整える方法」についてみていきましょう。
「行き過ぎた感情の変化と臓器の関係(11/18投稿)」の記事でお伝えしたように、感情が行き過ぎると生命活動を営むエネルギーである「気」にも影響を与えます。
東洋医学が「気の医学」といわれるほど、「気」というエネルギーは重要な概念です。
「気」には形がなく、元気、やる気、気分などといった言葉に使われているように感情(精神面)の状態も含んだ意味があります。
現代医学からみると、「気」は自律神経の働きに関与していると言えるでしょう。
「気」には多くの重要な働きがあります。
- 血(血液に近い概念)や水(血液以外の体液)の流れを推進する
- 病気の原因となる外邪(風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪)の侵入を防ぐ
- 臓器を定位置に保持する
- 体温調節を担う
そして「気」の不調には次の3つがあります。
- 気虚(ききょ):気が不足している状態。食欲不振や全身の倦怠感などが出る。
- 気滞(きたい):気の巡りが悪くなっている状態。頭重感や胸、お腹に張りがでる。
- 気逆(きぎゃく):気が下から上に逆流している状態。イライラしたり、のぼせ、吐き気やゲップなどが出やすくなる。
上記の中でも、過度なストレスが原因で起こるのが「気滞」です。
これらをみてわかるように、「気」という生命活動を営むエネルギーの巡りが悪くなると、様々な臓器に悪影響が出て病気になると考えらえれています。
「気」を正常に巡らす働きを担っている臓器が「肺」です。
肺は空気(自然界の清気)を呼吸によってコントロールしているので、精神的な負担がかかった時こそ大切になるのが「深呼吸」です。
深呼吸には現代医学(西洋医学)、東洋医学(中医学)の両方からみても次のようなメリットがあげられます。
- 血流を促進し、筋肉の緊張をほぐす
- 自律神経のうち副交感神経を優位にし、リラックスしやすくなる
- ストレスの軽減
- 疲れが取れやすくなる(疲労回復)
- 血圧の安定
- 睡眠の質の向上
このように「深呼吸」をすることで「気」の巡りがよくなり、精神的な負担(ストレス)の軽減や情緒の安定が期待できます。
2020年からはじまった新型コロナウイルス感染拡大の影響で、私たちはマスク生活を余儀なくされています。
マスクの影響で深呼吸が難しくなり、自律神経(交感神経が優位になる)が乱れやすくなっています。
寒い季節に起こりやすい季節性うつ(季節性感情障害)にならないように、日光浴でセロトニン(幸せホルモン)の分泌を促し、新型コロナウイルスの感染対策もしつつ深呼吸で「気」の巡りをよくしましょうね。
11月のブログも最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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